遺伝や環境などの影響により、小学校高学年〜中学校くらいで始まる近祝を単純近視といいます。病気というより身長や体重と同じ個人差です。在学中に発生することが多いので、学校近視ともいわれ、大部分の近視は単純近視です。
ごく一部の近視は、幼児期の段階から始まり進行します。眼軸が異常に長くて近視の度が強いため、眼鏡をかけてもあまりよく見えるようにはなりません。
また、眼球がかなり火きくなっているため、網膜が引き伸ばされて非常に薄くなっており、目をちょっと打っただけで、網膜の中心部がひび割れや出血によって萎縮したり、
網膜が眼底から剥がれてくる「網膜剥離」などの症状を起こします。このような近視は病的近視と呼ばれ、発生する原因がまだ不明で、遺伝が関与しているともいわれます。
矯正しても幼児が、遠くも近くも見にくくしている様子があれば受診をおすすめします。注意が必要です。
近視の治療について
点眼薬を用いる治療法は、近視になりかけの偽近視(仮性近視)の時期に行われることがあります。偽近視は近くを長くを見続けた結果、毛様体筋が異常に緊帳して水晶体が厚くなり、一時的に近視の状態になっていると考えられるときで、目の調節を休ませる点眼薬を用いる場合もあります。
手術的方法には、角膜周辺部分を放射状に切開する「放射状角膜切開術」やエキシマレーザーによる「角膜切除術」(角膜の中心部分を削る方法)などがあります。
しかし、強度の近視では効果が弱く、また、安定した視力が得られない場合や後遺症が残る場合もあり、効果と安全性が現在検討されています。当院では事前に十分説明をしますのでしっかり聞いて納得してから受けてください。
病的近視の治療について
病的近視は、現在のところ有効な治雄方法がなく、研究が続けられています。 網膜剥離や眼底出血などが起こらないように注意し、起きた場合は早急に手術する必要があります。